10955730_607865799313489_4866731944599879713_n

1510591_607679129332156_5440302885676221076_n

10955209_607681589331910_4925929779952523049_n
10931133_607683305998405_4974339386999508941_n

 

 
約1ヶ月前の2月1日。

 

 

BHP Billiton Aquatic Super Series / Open Water Swim the Swan 10km 結果 17位 01:53:04.20

リオ五輪に向けての次へのステップへ行ける権利を手に入れる事はできたが、

自分が納得できるレース内容ではなかった。

今回のレースは、体調と精神面は本当に良かった。

しかし、僕の身体と一緒に10km泳いでくれるアイテムの調子がうまく機能しなかった。

10km、2時間泳ぐうえで視界をクリアに保つ事はなにより重要な事で、

自分が1番気にしている点である。

僕は大事なレースには常に新品のゴーグルをおろし、使用する。
今回もそうだった。
だが、今回はいつも愛用し自分が信頼しているゴーグルの機能がうまく働かなかった。

泳ぎ始めて、10分過ぎた頃から、ゴーグルの内側が曇り始めて、

5km過ぎまでに、泳ぎながらタイミングを見計らって、3,4回一瞬背泳ぎをしたり止まったりしながら、
指でゴーグルの内側をゴシゴシこすり、曇りを解消しようと試みたが、なかなかクリアな状態に戻らなかった。

さすがにこれ以上この動作を続けていると、リスクが伴うと判断し、ほとんど視界のない状態で、隣で泳いでいる選手達を頼りに、泳いだ。 ブイを探す為に過度なヘッドアップも多くしてしまい、だいぶ肩周りの筋肉のエネルギーを消耗しているのも泳ぎながら感じていた。

トップ集団と勝負する為に、準備してきたが、
世界選手権の代表選考会もかかっているこの試合で、万が一失速しては、リオの道が途絶えてしまう。

だから、僕は5km過ぎで今回のレースの目標を勝負する事から、確実に代表権をとるに変更した。

実際泳いでいて、視界がほとんどない状況はパニックになる。
だが、幸いにも今までいろんなレース中におきる試練を乗り越えてきたので
それだけは回避する事ができた。

レース中、とにかく、落ち着こう。落ち着こう。焦らず泳ぎ続ければ、大丈夫だ。
と頭の中で何度も念じた。

ラスト1kmの直線は前半に過度のヘッドアップをしてしまった影響でラストスパートすらかけることができなかった。
本当に身体が苦しくて、逃げ出したくなりそうな感情だった。

昨年末に、前回のブログにも名前をあげた、明治大学のポスターを撮影して下さった加藤さんとやり取りをしていた際に
今は2月1日の全豪選手権兼世界選手権野代表選考会に向けて取り組んでいると送ったメッセージに

「こうした要となるレースには、ハプニングがツキモノです。ハプニングは、これまで経験したことのないことを言います。しかし、毎日の積み重ねが、あらゆるハプニングを事前に回避する能力も備わってきたと思います。
02/01は、どうか、自信を持って望んでください。」

と返信を下さった。

加藤さんは、大事な試合の時に、こういう事、つまりなにか予想しない事が起こるかもしれないから
何が来ても、その時にああ、加藤さんが伝えたかった事はこれなんだと思う意味も込めて言って下さってくれてると思う。

ロンドンを決めた試合の前も同じ事を僕に伝えてくれ、実際に試合会場のポルトガルに行く便が日本から出発当日に飛ばない
というパプニングがあった。試合中もスタート直後に隣の選手の手がゴーグルに辺り、片目のゴーグルの内側が浸水して見えないという状況に陥った。

僕が考えるに失敗というものは傷口に塩を塗られるものだとおもっている。

人間だれでも傷口に塩なんかぬられたくない。
だから、1回失敗したら、2度同じ失敗をしないように本能的に改善しようと脳と身体が動く。

今回のこの失敗は初めてである。
だから、同じ失敗は2度しない。しないためになにを改善すればいいか考え、行動するからだ。

結果的に言えば、今回僕は、自分が立てた目標を半分しか達成することができなかった。
客観的に見れば、失敗と言われても仕方ない。
そう言われても僕は素直に受け入れる。

ただ1つだけ、長期的な視点でこの失敗を見れば、これからこの点は改善され、成功へのアプローチの確立が高くなると考えている。前向きだ。この失敗があったから、成功したんだ。勝てたんだと思えるように取り組んでいくだけだ。

実際に、レース後、自分のゴーグルをサポートして下さっている担当の方と連絡を取り合った。

新品をある期間おいておくとレンズ内側が乾燥しすぎて蒸気の浸透に時間がかかるどころか機能自体が発揮することができなくなり(ウォーミングアップなしみたいな感じ)今回は多分くもり止めが機能しない状態だったのかもしれないとのことで、水温、体温、外気とも関係するそうで、温水プールだと湿度が高いため置いておくだけでレンズ内側は湿気を吸い取る準備をはじめるが、屋外の場合逆だそうだ。
その点では、新品をよりは1、2度使用した方が間違いはないそうだ。(例えば、新品のタオルが水を吸わないまではいかないが)
水をつけるというよりぬるめの水をためておく、くらいの気持ちで、さらにつける直前に息を吹き替えて蒸気を当てるようことも効果があるそうだ。

(このブログを読んで下さっている全てのスイマー、トライアスリートの皆さんにも役立つ情報だと思うので、情報をシェアします。)

今まで、僕は新品のゴーグルをレース前にゴーグルの内側を濡らす作業を感覚的にやってきた。
それがゆえに、こういうことが起きてしまったとも言える。
だが、今回こういう性能の事が120%理解できたから、良かったと思う。
僕はこれからも今自分が使用しているゴーグルを使い続けるし、1番信頼している事には変わりはない。

このようなハプニングが起きても、瞬時に目指すものを変える判断ができ、それに対してはしっかり結果を出す事ができた。

世界選手権まで残り半年ある。その期間の中で、今回のレースと同じくらい高いレベルの試合があと数回ある。

まずは4月18日の日本人初のシリーズチャンピオンがかかるニュージーランドオーシャンスイムシリーズの最終戦で優勝し、5月2日のW杯カンクーン大会でしっかり結果を出して、ヤスが自分で言っている通りだなと客観的に僕を見ている人達に感じてもらえるように
取り組みます。

 

 

チームメイトとの別れ

 

 

白か黒か。

僕らの世界にはその2つしか存在しない。

2月1日の試合ではオーストラリア代表の1次選考会も兼ねていた。
このレースでオーストラリア人の中でTOP4に入らなければ、2次選考に進む事ができない。
世界選手権への道が途絶えてしまうというものであった。

チームメイトのジョージはオージーの中で2位入り、選考をクリアしたが、
サムが5位、女子の選手で昨年のパンパシ代表であったジェスも5位という結果だった。

一緒に同じ目標に向かって毎日一緒に練習してきた仲間がこのレースを最後に競技を退いてしまった。

サムはその後、地元のメルボルンに戻り、ジェスは婚約したタイミングもあり、競技から退いた。
特にサムに関してはいつも、僕、ジョージ、サムで競ってトレーニングしていたし、プライベートでも3人でいる事が多かったから、
彼がオリンピックを目指す道が途絶え、地元に戻るという話しを聞いたときは、凄く悲しく寂しい気持ちになった。

なんか、当たり前のようになっていた3人で切磋琢磨しながらトレーニングに取りんでいた日常は
実はとても幸せな事だったんだと思った。

僕は日本から、サムはメルボルンから、ジョージはブリスベンからリオを目指す為に
それぞれやってきた。

プールでの長距離の練習はとても単調な作業で
練習=プールの往復の繰り返しは実につまらないものである。
1人でコーチとマンツーマンで取り組んだら、息が詰まってしまう。
こちらに来て、オープンウォーター選手達がPool swimming is so boring と良く言う。
確かに僕も同じ感情を持っていたし、だからこそトレーニングパートナーを皆求めて
集まってくるのである。
1人では僕らが取り組んでいるトレーニングはできないとおもう。
トレーニングパートナーと競って練習する事でレースに近い状況で泳ぐ事ができ、練習の質が高まるのだ。
だからその友情のような絆も強い。

彼がいなくなってから、ジョージとサムがいなくなって寂しいねと。話す。
トレーニング中もふとした時に彼が隣で泳いでいないと思ってしまう。
そこに悲観し続けているわけではないのだが、やっぱり、寂しいのである。

僕とジョージはサムとジェスの分まで想いを背負って前に進まなければいけないと僕は思っている。
そういう気持ちはいざという時に凄く力に変わるのと僕は思う。
僕は結構涙もろい部分があって今こうして文字を書いていてあの頃の日々を思い出してしまうと涙が出てくる。

CIMG4049
(写真はサム、ジェス、僕、ジョージ、コリンコーチ)

 

 
これからの僕、世界水泳まで140日

 

 

選考会のレースを終えた僕のメンタルは相当疲労していた。

オリンピックという究極の存在がだんだん近くなってくると、普段よりも精神面の疲労が蓄積していき疲労がとれずらくなる。

蓄積しすぎるとモチベーションが低下し、練習に取り組む質が悪くなるのだ。

それは自分が目標を公言して取り組むスタイルということも少なからずあると思う。

なので、目標を目指しながらオンオフの切り替えがもの凄く重要になってくる。

パースからゴールドコーストに戻り数日トレーニングした後に、まず3日間メルボルンに行った。
精神面を回復させる目的で。ロンドンオリンピックを目指していた時の経験上ここで1度気持ちにオフを入れないと
残し半年走り続けられないと思ったからだ。

初めて行ったメルボルンは素晴らしかった。
ずっと行ってみたいと思い続けていた場所だった。
正直2週間くらい滞在しないとわからないと思う街であった。
僕が感じるにオーストラリアの都市の中で唯一カルチャーが存在する街だと感じた。
オーストラリアというベースにニューヨークとロンドンを合体させたという印象を受けた。
ストリートファッションからハイブランドまで取り扱うお店があり、レコードショップもたくさんある。
マンハッタンとブルックリンのような街の情景もある。
もっと時間があれば歩いてディぐってみたかった。
サウスメルボルンマーケットという150年の歴史のあるマーケットで購入した生ハム、サラミ、チーズ、ワインは
とても美味しかった。メルボルンのカフェのコーヒーも美味しかった。
この旅でこの地で新しい友達もでき、また落ち着いたら行きたいと思う街の1つになった。

IMG_6226

メルボルンからゴールドコースト戻り、成田へ飛んだ。

10日間ほど東京に滞在した。
この期間は主に世界選手権の日本代表に決まった事を所属の朝日ネットをはじめ
日頃から僕の活動をサポートして下さっている方々に報告に行く事が目的で、またゴールドコーストではできない身体の治療に取り組む為に戻った。もちろん、日本に戻るという事で精神面の充電もはかっていた。
どんなにインターネットが進化しようと、人間心あるものである限り、アナログなコミュニケーションが1番大切なのである。それを再確認した帰国であった。短い滞在期間であった為、自分が直接会って報告やご挨拶をしたいと思っていたたくさんの方々のところまで行く事ができなかった。次回帰国時には必ず。

10985298_613805832052819_6704379642444871517_n

(写真は明治大学の大先輩であり柏市議会議員の山田一一先輩、僕のコーチをして下さっている佐野先輩、僕、柏市秋山市長、千葉県水泳連盟理事の鵜原さん。 2月17日柏市役所に伺い、柏市秋山市長に今夏ロシア・カザンで開催される世界選手権の日本代表に決まった事をご報告した後に撮影した1枚。)

日本滞在を終えて、ゴールドコーストに戻り、すぐにブリスベンからニューカレドニアに向かった。

昨年の香港でのワールドカップでニューカレドニアで開催される試合に招待選手としてオファーを頂き
行く事になっていたのだ。

オープンウォータースイミング選手である以上、世界中の海で泳ぎ、様々な環境での実戦経験を積んでいきたいという気持ちとオファーを頂けた事が素直に嬉しく、是非出場したいと思ったからだ。

3日というこれまた短い滞在であったが、ニューカレドニアの水泳連盟会長をはじめ、皆さんが凄く良くして下さり、
とても過ごしやすく、試合会場も海もとても綺麗で、大会も盛り上がり、満足のいくものであった。
ゴールドコーストに戻った後、所属の朝日ネットの英語表記のウェブサイトの問い合わせメール宛に
お世話をして下さったニューカレドニアの水泳連盟の偉い方の奥さんから凄く僕に対して好意的なメールを頂いた。
それが1番嬉しかった。 

IMG_6965

2月1日の選考会からめまぐるしいスピードで僕の時間が過ぎ去っていった。
それはきっと充実していたからであろう。
ニューカレドニアからゴールドコーストに戻った後、過密スケジュールをおくり、短期間で長い間飛行機にいる時間も多かった為、その疲労が一気にやってき体調が優れなかった。
だが、これも自分の中ではかなり前向きで、今までこういうスケジュールを経験した事がなかったので、
今後ある程度、自分の中で把握してスケジュールを組む事ができる。

何事も自分で実際に体験したり、経験しないとわからないのである。人間は。

世界水泳まで残り140日。

新しい事をこの1ヶ月でたくさん経験し、競技生活をおくるうえで1番重要な精神面の充電をはかることもでき、
目標を達成する為に走り続けられそうだ。
毎日、ああでもないこうでもないって試行錯誤しながらも常に前を向いて進んでいきたい。

終わり。








COPYRIGHT (C) 2014 YASUNARI HIRAI ALL RIGHTS RESERVED.